EVENT REPORT
2021.12.23 (Thu)

オンラインピッチイベント 「D2-SIX Vol.1」 

D2-“SIX” は、日本全国の D2C / EC 事業アイデアを持った起業家が登壇するオンラインピッチイベントです。このイベントを通して、起業家一人ひとりが持つ可能性や個性を伸ばし、事業スピードを加速させることを狙いとしています。その先にある目標は、日本からグローバルに進出していくブランドを輩出することです。当イベントは3ヵ月に一度開催していますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

イベント内容

D2-“SIX”の名の通り、6名の起業家と6名のメンター兼審査員で構成されるピッチイベントです。まず起業家が自身の事業アイデアをピッチ後、メンター全員から12分ずつのメンタリングを受けます。そこでもらったフィードバックをもとに90分で事業アイデアをブラッシュアップし、再度ピッチを行い順位を決定します。最終ピッチで最も得点が高かった起業家は「BEST D2-SIX AWARD」を受賞、1回目ピッチから最終ピッチで最も得点が伸びた起業家は「いつもチャレンジ賞」を受賞となります。

D2-SIX Vol.1 審査結果

BEST D2-SIX AWARD

・株式会社ヒナタビ 代表取締役 水元かほり氏
 「眠りに悩んでいるひとの一番最初の商品」世界No1への挑戦

いつもチャレンジ賞

・OYAOYA  代表 小島怜氏
 農業の、これから。をつくるために「農ある暮らし」を届けるブランドを作る。

・株式会社NuDiet 代表取締役 西谷真知氏
 余裕がなくても、「おいしい」完全食で健康を

BEST D2-SIX AWARD

「BEST D2-SIX AWARD」は『眠れるアロマ専門店 kukka』を展開する「株式会社ヒナタビ 水元かほり氏」が受賞しました。また、「いつもチャレンジ賞」は「OYAOYA 小島怜氏」と「株式会社NuDiet 西谷真知氏」が同率で受賞となりました。その他の方も非常にハイレベルなピッチを披露いただき、
初回から大変熱のこもったイベントとなりました。

PROFILE
株式会社ヒナタビ 代表取締役
水元かほり氏

2014年株式会社シーエー・モバイル入社(現:株式会社CAM)広告事業部にて営業〜メディア開発まで携わった後、サイバーエージェント子会社との合弁会社にてボードメンバーとして人事広報を担当。2019年独立。各社ベンチャーのマネタイズ・マーケティングサポートを経て「今悩みを抱えていたり困っている人たちが(日陰にいると仮定し)日向へと向かう手伝いができれば」との思いで2020年株式会社ヒナタビ創業。2021年10月眠れるアロマ専門店kukkaリリース。

「眠りに悩んでいるひとの一番最初の商品」世界No1への挑戦

現在日本では5人に1人が不眠症と言われており、私自身もずっと重度の不眠症でした。
睡眠関連市場は顕在化しているだけでも、1.3兆円です。

市場における商材は高価格帯のものが多く、手に取りやすいものが少ないという課題があります。
そこで私は「眠りに悩む人に一番最初に手に取ってもらう」ことを目指し、【眠れるアロマ専門店 kukka】を立ち上げました。

商品は「寝具に吹きかけるだけのアロマスプレー」です。精油は1.5秒で脳に届いて不眠症状を和らげる作用があります。
香りは「漢方医師による5つの不眠症状別の調香」があり、生薬に近いかたちで効果を生みます。

共感を生むブランドの取り組みとして、「サスティナブル」にも力を入れてます。ボトルは「使い終わったら一輪挿しにできる」エコ設計。
紙材は全て森林保全を目的とした認証紙・再生紙を使用しています。

実際に販売して1ヶ月が経ち、代官山蔦屋書店では平台の平均売上目標200%を達成することができました。
これは店舗における過去最高の売り上げで、常設も決定しています。

今後は短期販売戦略として、店頭とECを試しつつ、ECでも香りが楽しめるような施策も実施します。
ブランドイメージができあがってからは、廉価版での量産も想定しています。
kukka 公式サイト:https://kukka-zzz.com/

いつもチャレンジ賞

PROFILE
株式会社NuDiet 代表取締役
西谷真知氏

京都大学理学部にて生物学を専攻。卒業後、サイバーセキュリティスタートアップにてインターナショナルセールスやエンジニアを経験後、2019年にシステム開発会社を創業。同年、開発の傍ら完全栄養食の開発を開始し、2021年に株式会社NuDietを創業。一般食品のみを原料とした完全食のリリースを目指す。

余裕がなくても、「おいしい」完全食で健康を

私は大学院生時代に、実験で忙しく食事に時間をかけられず、体重が激減した経験があります。
そこで短時間でしっかり栄養が取れる「完全食」を開発しています。

重視しているのは、「①低糖質・低脂質ではなく、必要な栄養素が本当に全部揃っている」「②咀嚼が必要な固形物にすることで、認知機能の低下やガン防止に寄与する」「③無理なく継続できるレベルで”おいしい”」ことです。
そこで完成したのが、一般食品由来の完全食です。

商品は抹茶味のパウンドケーキなどがあります。
栄養素については、34種類あると言われる必要な栄養素、その全てが上記①を満たすような組み合わせを作り上げて原料を調整しました。
試作品を食べた人の8割以上から「おいしい」という評価もいただいています。

メインターゲットは、研究者やエンジニアなどの層を想定し、価格や物流などはさらに詰めていく予定です。
将来的には味や商品のラインナップも増やしていきます。

例えば鯖弁当やお好み焼きの完全食はレシピまでできたので、製品化に向けて動かしていきます。また、性別、年齢、活動量などに応じて
パーソナライズされた完全食も作ろうと計画しており、そういった製品展開も視野に入れて活動していく想定です。
NuDiet 公式サイト:http://nudiet.net/

PROFILE
OYAOYA  代表
小島怜氏

立命館大学で農業地理学を研究。在学中は農業分野への人材派遣スタートアップにてWeb広告に従事。21年1月に、これまでの知識を活かし「農業の、これから。」を創るOYAOYAを創業し3月にリリース。

農業の、これから。をつくるために「農ある暮らし」を届けるブランドを作る。

形がおかしく傷がある「規格外野菜」は、国内で274万トンが捨てられています。これは農業経営において重要な課題です。
そこで私たちは、行き場のない野菜に価値をつけて、生産者が見えるブランドを作ることで、新しい農業のあり方を実証します。

最初のプロジェクトとして「乾燥野菜ブランド OYAOYA」を始めました。

乾燥野菜は非常に出汁が美味しく食物繊維が豊富で、常温で半年間保存できます。輸送費も20分の1になるなど、多くのメリットを有します。
次の展開は、規格外野菜と加工を合わせたようなプラットフォームをつくる予定です。プロジェクト第二弾として、野菜の皮から出る色素を使用し、
食べても安全なリップクリームに取り組んでいます。

これはOYAOYAのコアファンの方とニーズを探り、一緒に商品開発を行いました。
さらに私たちの強みを挙げると、「農家様との関係性」があります。

1農家様ごとに1年以上かけて関係を構築しており、提携農家様は現在6社、平均年齢は33歳です。年々規模を拡大される農家様も多く、
販路拡大にもご協力したり、私たちで取り扱えない規格外野菜は他の事業者様に紹介するなどの支援も行い、ウィンウィンの関係を構築しています。

今後は「1農家様1アイテム」というかたちでブランドを生み出し、農業の新たなあり方を模索します。「農ある暮らし」を届けるのがOYAOYAです。
OYAOYA 公式サイト:https://oyaoya-kyoto.com/

他登壇者・ピッチリスト

PROFILE
FLAMME株式会社 代表取締役
渡邉凜氏

国際基督教大学卒業後、新卒でコンサルティング会社に入社。卒業後はホテル、化粧品会社などのPRを経験。「一人一人が自分のリズムで生きられる社会」を実現すべく2020年にFLAMME株式会社を設立。
YOU ARE ALREADY SPECIALをブランドメッセージに掲げたウェルネスブランド「FLAMME(フラム)」を立ち上げ運営する。

「自分のご機嫌を自分で取れるセルフケア時間」をお届けするウェルネスブランド

私は社会人6年目ですが、周囲でバーンアウトしたり、メンタルヘルスの問題を抱える方がとても増えています。
その課題を解決できるのは、大きく括ると「ウェルネス」だと考えます。

一口にウェルネスといっても様々な要素が関わり、多様なアプローチがあります。そんな中で、まず私は「キャンドル」によるセルフケアの時間を提供します。

ブランドメッセージは”YOU ARE ALREADY SPECIAL”。私のサービスやプロダクトを使用している間だけは自分を特別だと感じられるような、
そんなセルフケアの時間を伸ばしていくことで、ウェルネスを体現していきます。

現在は自社ECサイトでアロマキャンドルを3種類販売しています。強みは「五感で楽しめる」点です。
弊社のキャンドルは芯が木でできているウッドウィック を使用しており、木の爆ぜるパチパチという音がして、お家の中で焚き火気分が味わえます。

香りもオリジナルで、ナチュラルな原料を使用しているので、煤が出にくくゆっくり燃えていくという特性もあります。
実際のユーザーは25~34歳の女性が多いですが、男女比は3:7くらいで男性の方にも購入いただけています。

今後はキャンドルを取り巻く商品、例えばワインやパズルなどの商品開発を予定しています。
さらに世界観を共有できるブランドもキュレーションして販売するなど、ウェルネスを体現するライフスタイルを発信していきます。
flamme公式サイト:https://lightflamme.com/

PROFILE
INFUSION Japan 代表
橋村愛希葉氏

フランスの日本国総領事館にて2年間勤務後、香川県に帰郷。2020年にPortier(ポルティエ)を創業し、「世界の良いものを地方にも」「地方の良いものを世界にも」の双方を実現すべく貿易事業を展開中。
今般、輸入部門として茶こし付き二重構造ガラスボトル「INFUSION」をMakuakeでローンチ。

「世界の良いものを地方にも」「地方の良いものを世界にも」

私は香川県三豊市で貿易事業を営んでいます。地方にいると「地方にあって世界にないものを運ぶ」機会は多いが「地方になくて世界にあるものを運び入れる」機会は少ない印象です。

そこで輸入物販をクラウドファンディングで始め、茶漉し付きの二重ガラス構造ボトル「INFUSION」をローンチしました。

茶葉を煎じたり、フルーツを入れて飲むことができるので、お茶を日常的に楽しむことができます。
茶葉を煎じるメリットとして、「煎じる」という行為自体が心にゆとりを与え、現代人のクオリティオブライフ向上につながると考えています。
また、自分の体調・気分に合わせて飲む「生薬」としても効果があります。

クラウドファンディングの反響は良く、現在約250万円、サポーターも300名ほど集まっています。
今後のフェーズとして、輸入品と国産品の茶葉を飲み比べて楽しめるサブスクサービスのリリースを予定中です。

取り扱う茶葉が増えていけば、その後は国内・海外問わず、世界中の茶葉からユーザーの嗜好や体調に応じて、
パーソナライズしてお届けするサブスクへ展開していきます。

地方にいながら国際的なビジネスに携る、それにより「世界の地方」と「日本の地方」が繋がっていくことが、
今後目指すことです。Portierが目指す『世界の良いものを地方にも』『地方の良いものを世界にも』を実現します。
Facebook:https://www.facebook.com/akiha.fr

PROFILE
株式会社MISOVATION 代表取締役
斉藤悠斗氏

1994年生まれ。東京農業大学で栄養士免許を取得し、研究室ではうま味の研究に従事。大学卒業後、カゴメ株式会社、株式会社リクルートキャリアにて勤務。「重度の認知症となった祖父の介護経験」「栄養士である自分自身も会社員時代に健康管理できなかった経験」がきっかけとなり、食の予防医療推進を行うべく2021年3月に株式会社MISOVATIONを創業。2021年10月31日に完全食味噌汁MISOVATIONをリリース。

味噌を通じて、世界の予防医療にイノベーションを起こす

私のビジョンは「味噌」を通して世界の予防医療にイノベーションを起こすことです。
過去に私自身が体調を崩したことや家族への介護経験から、この事業を進めています。

現在の健康食品の課題として、主に味や量で「我慢」がつきまとう点にあると考えます。
それを解決するのが、世界初の「完全食の味噌汁」です。

特徴は大きく4つあります。1つは31種類の栄養素をすべて摂取できる「完全栄養食」である点。2つ目は「サブスクサービス」で日本各地の味噌と出会える点。
3つ目が「瞬間冷凍」で野菜の美味しさや栄養素を残している点です。

最後に一般的な味噌汁は約200gで、朝に副菜として飲むイメージが強いですが、弊社の商品は415gほどあり、単体で食事が完結します。
昼や夜に主食として食べる新たな価値を味噌汁に付与します。

生産者の支援にも、弊社は取り組んでいます。規格外野菜や地域特産品を味噌汁に使い世界に広げていくことで、ブランディングにも寄与します。現状の販路は、自社のECサイトがメインですが、今後はAmazonや他ECモールへの出店に加えて、小売店や福利厚生として個人・企業への展開も考えております。
市場としては、通販サプリメントの1%を取りにいく想定です。

海外の健康食品市場は国内と比較して約10倍以上の規模があるため、将来は海外展開も視野に入れております
MISOVATION 公式サイト:https://misovation.com/

メンターコメント

PROFILE
株式会社マクアケ 代表取締役社長
中山亮太郎氏

総じて「ブランドの作り方」をメンタリングではお話しいたしました。「なぜその商品が機能的に優れているか」という点に、どんな汗と涙のストーリーがあるか、ここがユーザーに一番刺さるポイントです。この点は、リアル店舗よりインターネットの方が伝えやすいので、ぜひアピールしていただきたいです。あとは「このブランドと商品を通して〇〇を伝えたい」という点をシャープにして、それを伝えるのに時間とお金を割くのがいいと思います。ブランドは「意志ある無駄遣い」でできていくと考えるからです。なので、機能に対するブランド、価値観に対するブランドが合わさったものをどう作っていくか、というお話を主にさせていただきました。

PROFILE
mint Investment Manager
岡澤雄介氏

D2Cにおいて、商品が素晴らしいものであることは当然重要です。その点、今日ご参加された皆様はいずれも強い想いを持って商品開発をされていたのが素敵だと思いました。個人的に使いたい商品もたくさんあったので、今後発売されるものは買わせていただきます。起業の初期段階は、ブランドがない状態なので、一定の層に刺しにいくことが重要です。なので、「どんなお客様にどう使ってもらうかイメージできるか」という点は非常に大切であり、今回のメンタリングもそこを中心に話させていただきました。

PROFILE
株式会社パンフォーユー 取締役
山口翔氏

メンタリングでは、ブランドストーリーやマーケットなどは、他メンターの皆様からフィードバックいただているようだったので、私は6分間の限られたピッチをどうマネージして勝つかという点をメインにフィードバックしました。「こういうスライドを入れよう」とか「この話はもう少し厚めに話そう」といったことです。事業においても、色んな制限の中で戦っていく点はピッチと同じだと思っています。限られた環境で、どう最大限パワーを出すかは重要ですね。

PROFILE
株式会社いつも 代表取締役社長
坂本守

ピッチされている皆様のお話を聞いて、「適切な比較対象を選択する」こと、そしてあくまで「自分が実現したいビジョンやストーリーが先行する」ことが重要だと思いました。例えばシード段階で、業界最大手との「差別化」「競争優位性」から事業を定義しても、あまり意味を為さないケースがあります。それよりも、自分が実現したいビジョンは何か、そしてその説得力を強化するためにどこを競合に据えて差別化するか。そういった姿勢が必要かと思います。私自身とても勉強になったイベントでした。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

PROFILE
いつもキャピタル株式会社 取締役/パートナー 杉浦通之

今回が第1回のピッチイベント開催となりましたが、起業家の皆様のピッチが想像以上に完成度が高く驚きました。また、1 回目のピッチから2 回目のピッチの間に設けられたブラッシュアップ時間により、成長幅も総じて大きく、素晴らしかったと思います。皆様、お忙しい中ご参加いただき大変感謝しております。ありがとうございました。

PROFILE
いつもキャピタル株式会社 アソシエイト
北村洋輝

メンタリングの際、主に「ブランドストーリー」や「モールへの展開可能性」についてお話しさせていただきました。たくさんの商品がある中で「うちの商品が選ばれる理由」「他社との違い」が十分に訴求できていなければどんなに良い商品でも買っていただけないためです。また、ECはどうしても「手に取って試すことが出来ない」という特性があります。その中でいかに見つけた人に対して買った後のイメージを持たせられるかが重要だと思います。皆様、魅力的な素晴らしい商品を取り扱っており、ブランドに対する熱い想いを感じることができました。ご参加いただいた起業家・メンターの皆様に厚く御礼申し上げます。

「D2-SIX」は随時参加者を募集しております

グラフィカル ユーザー インターフェイス

自動的に生成された説明

初の開催となったD2-SIXは、熱意と才能ある起業家の方々、そして真摯に起業家と向き合われるメンターの方々にご参加いただき、非常に実りあるイベントとなりました。改めて、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

D2-SIXは3ヵ月に1度開催を予定しております。次回は2022年2月23日(水)開催予定です。参加希望の起業家様は随時受け付けておりますので、
以下問い合わせからご連絡ください。「まずはイベントについて詳細を知りたい」などの問い合わせでも問題ございません。

▼D2-SIX Vol.1 参加起業家(敬称略)

  • 株式会社ヒナタビ 代表取締役 水元かほり
  • 株式会社NuDiet 代表取締役 西谷真知
  • OYAOYA  代表 小島怜
  • FLAMME株式会社 代表取締役社長 渡邉凜
  • Portier/INFUSION Japan 代表 橋村愛希葉
  • 株式会社MISOVATION 代表取締役 斉藤悠斗

D2-SIX Vol.1 参加メンター(敬称略)

  • 株式会社マクアケ 代表取締役社長 中山亮太郎
  • mint Investment Manager 岡澤雄介
  • 株式会社パンフォーユー 取締役 山口翔
  • 株式会社いつも代表取締役社長 坂本守  
  • いつもキャピタル株式会社  取締役 / パートナー 杉浦通之
  • いつもキャピタル株式会社 アソシエイト 北村洋輝

▼主催

いつもキャピタル株式会社

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